クリスマスの☆流れ星クリスマスの☆流れ星 「いくわよギロロ」 「何で、なんで俺が……」 まだ言ってる……でも、本当に頼りになるのはアンタだけなの。ごめんね、ギロロ。 「学園ボランティア」活動で知り合った身寄りの無い子供たち。クリスマスの、サンタクロースからのプレゼントを信じてない子供たちのために、アタシができることって思って、アタシはサンタになった。 これでも、ちゃんとサンタ協会に教わって基礎から覚えたんだからね。 皆の力を借りて、手作りのプレゼントを用意して、ギロロのソリ(ソーサー改造)で空に舞い上がると、さすがに上空は寒かった。 「これ、この格好じゃちょっときついわね」 ママに頼んで用意してもらったサンタ服は、必要もないのにセクシー風味だった。そういえばいつかママも着ていたなあ。 異常にミニで、すそのボアでかろうじて隠れてるぐらい。もっとも、ソリに座ってる分には足はいいけど、手がちょっとね。 「ほら、これをやる」 振り返ったギロロ(操縦中)が妙にかわいい紙袋をアタシに放ってよこした。 「サンタからじゃないが、ぷ、プレゼントだ」 「これ、アタシに?」 「ああ、その格好では寒そうだからな、手袋だ」 それは、手首にボアが付き、ワンポイントに毛玉の付いている白い手袋だった。用意したサンタコスチュームセットに手袋が付いていなかったことを予想してたのだろうか。 「何の宝物でもないものだが、使ってくれ」 どうしてこの人は、こう、人の気持ちを感じ取るのが上手なんだろう。ここぞというときに必ず頼りになってくれる。そんなの卑怯だよギロロ。アタシもっともっとアンタのこと…… 「ちなみにアンチビームバリアコートだから汚れも付かん」 「え?」 「5.56mmまでの粒子ビームなら無条件ではじくぞ」 「ちょっとちょっとぉ」 前言撤回、もう、この人は…… でも、この手袋、とってもあったかい。選択の仕方は変だけど、ギロロの暖かい思いやりがたっぷり詰まってる。 放射冷却というのだろうか、満天の星空。数え切れないほどの鮮やかな星の輝きの中、気温は軽く零下なのに、アタシはとってもあったかだった。 「あ、流れ星」 お願いでもしようかな?あ、英語ではshootingstarとか、stardustって言うんだっけとか後から思えば恐ろしい的を射た言葉を考えてた。 さらにすっ、すっっと星が流れていく。そうこうしているうちにだんだん数が増えてきた。 「流星雨?聞いてないよ」 「確かにそんな情報は無かったな。しかし、これはちょっと……」 流星なんてものは、天空を横に走るものだとばかり思ってた。でも今日の流星は……」 「ねえギロロ、流星、こっちに降って来てない?」 「そのようだ」 次々とこっちに向けて光の線が走ってくる。 「かわすぞ、しっかり掴まってろ!」 「うん!」 さすがに見事な操縦でかわすギロロ、こういう時、本当に頼りになるひと。 でも、アタシの周りがまったくなんともないのに、ギロロの周りは、かなりきわどい。 「だめ、ギロロ、もっと大きくよけないとアンタが危ない!」 「馬鹿いうな、お前に当たる!」 「だめぇぇぇぇ!!!」 ひときわ大きい流星が、かわしながら操縦するギロロの背中めがけてまっしぐらに落ちてきた。 それからのアタシは、何をしたか覚えてない。反射的に飛びついて、落ちてきた流星を 手ではたき落としたらしいのだ ☆
その後は流星もおさまり、あたしたちは無事に子供たちにプレゼントを届けることが出来た。 帰り道、というか飛行中。 「ねえギロロ、このすごい手袋でよかったよ」 「無茶なことする。手で流星をはじくヤツなんて、ケロン軍の精鋭の中にも居らんぞ」 「化け物だとか言いたいんでしょ」 「命を救ってくれたこと、感謝する」 「……お互い様でしょ。今日は本当にアリガト」 照れくさかったけど、後ろに引き寄せてほっぺにチュ まさかその後、墜落するとは思いもしなかったけど。 ☆
後日クルルが調べて判ったことだが、、流星雨の原因はケロロ砲の残骸が落ちてきたものだった(先日ボケガエルが暴走して発射し、ドロロに跳ね返されて破壊された) アタシがボケガエルを残骸になる位きつくお仕置きしたのは言うまでもない。 ジャンル別一覧
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